フランス語サロン上級クラス 2022年6月報告

上級 月3回 月曜日 13時30分~15時
場所 ふれあい福祉センター他

 フランスのニュース記事を読んで理解を深め、自分の意見を述べ合う授業です。
 扱うテーマは世界中の政治、社会問題、文化など様々で、視野を広げ多くを学ぶことができます。
 以下は3月~5月のテキストのタイトルです。(杉浦)

  • La guerre de Poutine ne doit pas éclipser l’autre crise qui menace le monde (14 mars)
    プーチンの戦争が人々を脅かす他の脅威から目をそらすものであってはならない
  • Jean-Jacques Annaud : “À Notre-Dame la réalité est plus belle que la fiction” (28 mars)
    「ノートルダムでの事実はフィクションよりも素晴らしい」ジャン=ジャック・アノー(映画「Notre-Dame brûle」の監督)
  • En France, le nomadisme choisi devient un mode de vie (11 avril)
    フランスではノマド生活は新たな生活様式となっている
  • Le second tour dira au reste du monde qui nous voulons être (18 avril)
    (大統領選挙の)決戦投票は我々がどのような社会を築きたいかを告げることになるだろう
  • L’histoire des pâtes et leur origine (25 avril)
    パスタの歴史とその起源
  • En Chine, la stratégie zéro Covid est-elle devenu un piège pour Xi Jinping ? (9 mai)
    中国のゼロコロナ政策は習近平にとって落とし穴となったか?
  • Sécheresse: La France est dans une “phase critique” du réchauffement climatique (16 mai)
    干ばつ:フランスは気候温暖化の危機的段階にある

*見学のお問い合わせは、両クラスともに下記にお願いします。
杉浦真理子 sugibonjour@ybb.ne.jp

 

フランス語サロン(上級)の様子です。 柳沢 恵子

 上級クラスでは、現在世界で起きている様々な社会問題のニュースをテキストとしています。フランスのニュース記事なので日本とは違った角度の視点だったり、日々我が家にも届く日本の新聞にはそこまで詳しく書かれていない(または書かれていたとしても読んでいない…)内容だったりと、私はいつも興味深く読んでいます。
 授業の進め方ですが、A4で2ページの記事をまず1段落ごと順番に一人ずつ読んでいきます。最後まで読み終わったところで先生が発音の間違いを訂正、みんなで何回か発音します。フランス語ではリエゾンやアンシェヌマンはもちろん、なんとなく英語読みに近くなってしまうものがあったりして先生の指摘にはいつも「あぁ、そうだった!」と納得しながら確認しています。次に内容について順番に質問されます。答えがここに書いてあるという場所は分かっても質問に適切な文章で答えることは難しく、いつもテキストの丸読みになってしまいます。それでも時々何とか自分の言葉で答えたいと少しは意地を見せるのですがまとまらず、結局先生がすっきりまとめてくださり、「そうそう、それを言いたかった」となりなす。また、語彙についても原形は何か、活用形は?時制は?…なんだっけ??…その他熟語や同義語などたくさん質問され、このあたりで予習不足を後悔することになります。
 そして最後に個人の意見を聞かれ、皆それぞれに考えを述べます。ここでも私は自分の意見を上手く伝えられずストレスばかりが残ります。
 こんな様子でやっていますが、皆このクラスをとても楽しんでいています。私にとってはフランス語の勉強だけでなく、日々の忙しさの中で希薄になっている社会問題へ注意を向け、知らなかったことを知る大事な時間でもあります。
 さて、最近の記事で勉強したものを一つ紹介します。
 Sécheresse:la France est dans une “phase critique” du réchauffement climatique
 フランスでは気候変動による気温上昇で「干ばつ」が危機的な状況になっています。フランス各地で記録的な干ばつが報告されていて、小麦をはじめとする農業生産量の深刻な低下が懸念されています。また家畜の飼育に不可欠な干し草などの飼料不足や、今までに無かった地盤沈下による建物の崩壊、原子炉を冷やす大量の水への懸念など、今後の影響は計り知れません。この危機を避けるために15の県ではすでに厳しい制限が始まっていて、一定時間の畑や庭の水やりや洗車の禁止など水の節約を呼び掛けています。専門家は長期モデルの再検討や今までの生産至上主義を指摘しています。
 このテキストを読んで、フランスは有名なミネラルウォーターの産地なのに今後どうなってしまうのかという心配の声や、フランスでも今まで干ばつには関係のなかった地域や、ヨーロッパの他の国でも同じような状況というのは深刻だとの意見が出ました。 日本に来たドミニク先生のフランス人の友達が温泉でばんばんお湯をかける日本人を見て驚いていたという話に皆笑いましたが、他人ごとではなく、日本でも今後は意識して水を使わないといけないと考えさせられました。
 現在クラスは8名です。皆さんもご一緒にいかがですか。