活動報告

長野日仏協会 2024年度総会報告

笑顔の総会 長野日仏協会副会長 杉浦 真理子

 連日の鬱陶しい梅雨空から一転し、夏の青空が広がった7月13日。長野日仏協会総会と、何ヵ月も前から準備を重ねてきた落語会が開催されました。
 フランス人落語パフォーマーのシリル・コピーニさんをお呼びしようと計画したのは、昨年の12月のことでした。シリルさんは、日本各地での落語口演の予定の他、5月6月はすでにフランスでの口演を控えているとのことで、日程調整はかなり大変でしたが、7月13日に決定。でも、この日は3連休の初日、皆さんすでに予定がおありかしら?と心配もありました。
そんな心配も蓋を開ければ杞憂となり、総会には36人、落語会には非会員の方を含めて45人もの方々が参加くださいました。
 総会の議事は滞りなく終わり、いよいよ落語会。軽快な祭り拍子とともに登場したシリルさんは、その風貌と巧みな日本語で瞬く間に聴衆の心をつかみます。
 前日にお会いした時に「フランス語の落語もお聞きしたい」とお伝えしたところ、「D’accord!」と快諾。まずは『桃太郎』『皿屋敷』『時そば』(『時うどん』に変更するトリックあり)を、クイズ形式にしてジェスチャ―たっぷりのフランス語で披露。
続いて古典落語の『まんじゅこわい』を、ピエール・エルメのマカロン(ここで、フランスの大統領はマクロンだよ、というオチも入り)や、ミルフィーユ、ガトーショコラなどフランスの「甘いもの」に置き換えて語るも、何の違和感もなく耳に入るのはさすが。
 続いての『手水まわし』では、お得意の福岡弁と関西弁の語りの所々にフランス語を交えてクスッとさせる技はお見事でした。こうして50分間の落語会は、笑いと拍手喝采で終わりました。
引き続きの懇親会は、ハトヤの井原さん(会員)手配のフランスワイン13本がずらりと並び、吉田会長の乾杯でスタート。久し振りにお会いした方、入会されて初めて参加された方、1年間のフランス留学から戻ったばかりの高校生など、職業や年齢の壁を越えた交流ができるのが、日仏協会の素晴らしいところです。
 シリルさんも各テーブルを回って参加者一人一人と懇親され、あちこちに笑い声が響きました。
サプライズもありました。ドイツでワイン醸造を研究され、今は自称「小諸のじゃがいも農家」の桜井さんが、ご自分の畑から40キロものピカピカのじゃがいもを段ボール4箱に詰めて運んでくださり、嬉しいお土産つきとなりました。

 翌日7月14日は、フランス革命記念日(Quatorze Juillet)です。パリオリンピックを目前にしたこの日は、パリ市内の名所を聖火が駆け抜け、特別なQuatorze Juilletになったようです。
 私たちも、心に残る特別な総会を行うことができました。
 シリルさん、そしてご参加くださった皆様、当日の参加は叶わなくても欠席通知に温かなメッセージを添えてくださった皆様、Grand merci !!!

ノエルの会 [2023.12.9]

ノエルの会 À Matsumoto! 矢島 真理子

 12月とは思えない暖かく穏やかな9日土曜日、松本駅近くの地中海料理店「セロニカ」でノエルの会が行われました。
今回はビジターの方が3人(+2歳の坊や)参加され、総勢24人。松本市を中心に、安曇野市、岡谷市、茅野市、長野市、佐久市などから出席です。新入会員の方や初めてお会いする方との交流もとても楽しみにしていましたが、ちょっとお店のスペースが足りず自由に動き回れなくて残念!でも、コース料理やワインを頂きながら自己紹介が始まり、皆さんの近況を知ることができました。
あっという間に2時間が経ち名残惜しくも散会の時間となりましたが、今後はコロナ禍前のように催しが増え、会員同士の交流が益々盛んになれば良いなと思いました。

フランスにおけるブランドプロモーション及びファンネットワーク構築

フランスにおけるブランドプロモーション及びファンネットワーク構築
―長野とフランスをつなぐ―

杉浦 真理子

 フランスにおける長野ブランドの認知拡大と理解促進を図るという目的で、パリで活躍されている長野県出身者および在仏長野ファンのネットワークを構築するというプロジェクトが発足しました。7月の総会で少しお話ししたので、ご記憶の方もいらっしゃるかと思います。
長野サイドでは、「長野県のブランド力向上」を掲げている長野県営業本部のメディア・ブランド発信の担当の方々が、日々活動の窓口を模索しているところでした。そしてお互いのコンセプトが一致し、この度本格的にプロジェクトが動き出しました。県の担当の方は「ただの商品」をPRするのではなく、そこにまつわる歴史や文化や伝統を伝えていきたいとおっしゃっています。
そして10月2日、長野県庁においてキックオフ会議が行われました。フランスからは、分子ガストロノミー研究の最前線に立つラファエル・オモンさんと、プロジェクトリーダーの熊井淳さん(安曇野市出身)が来日されました。
長野日仏協会からは吉田会長はじめ9名が出席。オモンさんが長野県の食材に興味を持たれているので、協会会員のシェフやパティシエにもお声がけしたところ、「レストラン・シェマサ」の鶴田シェフ、「パティスリ・トレゾア」の竹内さん、「パティスリ・ヴァンセット」の水野さんがご参加くださいました。
分子ガストロノミー(cuisine moléculaire)とは、「調理の過程で食材が変化する仕組みを分析して解明し、化学的観点から調理法、味覚、風味、食感などを形式化する」もので、食材を構成する分子解析によって、料理の可能性がより広まるとのこと。
例えば、チョコレートには400の分子があり、それぞれの特徴を分析すると無限の組み合わせが生まれるとオモンさんはおっしゃっています。今パリで注目されているショコラティエ「Les trois chocolats paris」(世界的ショコラコンクールClub des Croqueurs de Chocolatsで、インスピレーションアワード賞を受賞)では、長野県産わさびと味噌を使って新たなレシピを考案し、10月末にパリで開催された「サロン・デュ・ショコラ」に出展したそうです。
長野からは、リアルな長野を在仏長野ファンの方に知っていただくために、県のインスタグラムをツールにした情報発信が開始しました。(アカウントとQRコードを掲載したので、ぜひご覧ください)
今まさに始まったばかりのプロジェクトですが、長野とフランスをつなぐ今後の動きがとても楽しみです。コロナ禍で停滞していた「日仏交流」が、一気に動き出した感があります。長野日仏協会が25年前の発足当時に掲げた会則に「長野県とフランス、ならびにフランス語圏諸国との交流を促進する事業を支援する」の一文がありますが、このプロジェクトはまさにこれに一致すると思います。
これを機に長野に魅力を感じるフランス人が増え、たくさんの方をお迎えできますように!

長野日仏協会 2023年度総会報告

長野日仏協会の定例総会行事に参加して 上原 純子

 2023年7月9日、ホテルメトロポリタン長野での、長野日仏協会25周年定例総会とM.Ludovicコンサート、そして懇親会に参加させて頂きました。私にとって長野日仏協会は、憧憬と遠望の対象でした。今回、行事に参加をご許可下さった吉田先生や、会の皆様に心から感謝いたします。
 総会当日、早めに長野に着いた友人と私は、会場確認のため12階に行ってみました。すると人の流れで、あっという間に受付が済み、おこがましくも定例総会から出席することとなったのです。
 Ludovicさんの心揺さぶられる歌、美味しいコース料理を堪能しながら、私は仏語と出会った日々を懐かしく思い出していました。
 「フランス語の社内研修に参加しませんか?」とは、上司の言葉。昔の話ですが、私は当時銀座に本社のある自動車会社の海外部に勤務していました。参加した社内研修は半年間。たまたま大学で第二外国語として仏語を選択してありましたので、仏語基礎の基礎を人生の前半に学習できたことは幸いでした。
 かつて、クリスマスから正月の1週間を、旅人としてパリで過ごしたことがあります。市内定番スポットをはじめ、モンサンミッシェル、ヴェルサイユ宮殿、フォンテーヌブローなど。はじめて通じた仏語は小さな街のお土産物屋さんでの値段交渉でした。食事は、モンサンミッシェルでのオムレツとシールドワインが記憶に残っています。
 現在、私は松本でボランティア英語ガイドをしています。以前よりも仏語圏の観光客が増えているように思います。私が、挨拶とガイドの導入部だけ仏語で行うと、お客様は私の仏語のつたなさと珍しさに驚き、破顔し、激励してくれます。
 私にとって英語は、自ら選んだ語学です。仏語は人生を豊穣にしてくれる「第二外国語」でした。しかし、長野日仏協会に入会を許された今、私は仏語をも自ら選び取ったことを自覚しました。これからもずっと、仏語や仏文化に触れられれば、とても嬉しいです。

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ノエルの会 [2022.12.11]

ノエルの会、3年ぶりに開催! 菊池 威

 12月11日(日)午前11時半過ぎ、ホテル国際21「弥生の間」の入り口。運営委員会のメンバーが受付の準備を始める中、三々五々、会員たちが集まり始める。あちこちで「お久しぶり!」の声しきり。コロナが続く中、いやが上にも会話が弾む。
 さすがホテル。高い天井の大広間に5つの洒落た丸テーブルが用意され、ウェイトレス、ウェイターが会食の始まりに備えてくれている。
 さて、それぞれクジで引いたテーブルにそぞろ着席し、会長の挨拶を待ちつつもおしゃべり。
 正午丁度、吉田会長の挨拶および乾杯の音頭で会が始まる。しばし、マスク越し・パネル板越しながらワイングラスを傾け、弾む会話の間に料理を楽しむ。
 1時間ほど会食を楽しんだのち、新規会員および久々の出席者による挨拶・近況報告が行われた(小林宏子さん、市川由紀子さん、北村まどかさん、ブリザード史さん、ブリザード世和さん、森明美さん、山中和子さん、大野博人さん、大野朗子さん、春日隆史さん、小山Géraldineさん)。
 最後にシャンソンタイムが始まる。吉田会長の先導で、ノエルにちなんで、「Douce Nuit」「Noël Blanc」をみんなで合唱。次いで、市川由紀子さんがしっとりと「La chanson de Prévert」を歌い、その後吉田会長が「Les feuilles mortes」を情感込めて歌い上げる。
 そして、がらりと雰囲気を変え「La vie en rose」を全員で歌い、締めは楽しく「Aux Champs-Elysées」の大合唱。
 コーヒーやワインで喉を潤し、宴の後の余韻を惜しみつつ14時30分、閉会となった。

長野日仏協会 2021年度総会報告

2021年度年次総会について 菊池 威

 6月5日(土)、2021年度の年次総会が安曇野のレストラン(L’Atelier des Sens:ラトリエ・デ・サンス)にて開催された。

 昨年はコロナ禍で役員だけによる議事回覧式の開催を余儀なくされたこともあって、今年度はなんとか通常の対面型の集会にしようと、吉田会長を始め運営委員が知恵を絞り、ソーシャル・ディスタンスが確保可能な会場として上記のレストランが選ばれた。とはいえ、コロナ禍が続いているので参加者が少ないことが心配されたが、結果的に16名の参加があった。

 当日は晴天にも恵まれ、安曇野一帯に広がる早苗田に北アルプスの山々が映り込んで、私たちを歓迎してくれた。

 11時、吉田会長の挨拶から総会が始まった。コロナ禍で十分な活動ができなかったとはいえ、会報の発行や、フランス語や会話のサロン活動は活発に続けられたことが報告された。吉田会長は今年度も引き続き日仏交流という会の基本方針にのっとって、地道な歩みを続けましょうと述べられた。ついで、2020年度決算報告、2021年度活動方針案及び予算案が提示され、いずれも参加者の承認を得た。

 次に、当日参加された新規会員(3名)の自己紹介が行われた。
○鈴木球子さん(信大講師)、○大野博人さん(元新聞記者、日仏会館理事)・朗子さんご夫妻

 最後に、出席会員全員の近況報告が行なわれ、総会を終了。正午を回ったところで会食。
会食といっても感染症を考慮して、アルコールなしのランチボックス配布。それでも皆さんサラダやサンドウィッチを頬張りながら久しぶりの歓談をしみじみ楽しんでおられました。何といってもこうして直に対面してやるのが一番ですね!

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長野日仏協会 新年会 [2020]

新年会 杉浦真理子

 春のような明るい陽射しがふり注ぐレストラン「シェ・マサ」で、18名の参加者が集い2020年の、少し遅れた新年会が行われました。

 吉田会長からは、リール大学と信州大学の交流が本格的に始まったこと、リール大学では日本文学熱が高まり、今後ますます活発な交流が続くであろうという嬉しい報告があり、「Bonne année !」の掛け声で乾杯となりました。

 アミューズのピーツのポタージュは、可愛らしいピンク色。前菜は色鮮やかな野菜と  目鯛のタルタル。メインの一皿目は、新緑をイメージする鮮やかなグリーンの春菊ソースに包まれた鰆のポワレ。2皿目は、赤ワインでとろとろに煮込まれた牛タン。最後は真っ白なクレームダンジュと真っ赤な苺、その色のコントラストが見事なデザート。初めから終わりまで春を感じる美味しく美しいお料理でした。

 最後にお一人お一人のフランスやフランス語への思いを、自己紹介を兼ねてお話いただきました。興味の持ち方はそれぞれ違うものの、私たちは「フランス」で繋がっていることを改めて感じた会でした。皆様、次回は4月の総会で!A très bientôt!

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巴里祭 à Bistro L’Assiette [2019.07.28]

宮原 舞子

 Bonjour à tous!

 今回初めて記事を書かせていただきます、宮原舞子と申します。
小学生の時、Saint-Exupéry著の小説 « Le Petit Prince »を読んだのをきっかけに、独学でフランス語を始めました。勉強でフランスにも数回行ったこともあり、フランスが大好きです!初めましての方も多いですが、これからどうぞ宜しくお願いいたします。

 さて、7月28日。Le Quatorze Juilletから2週間遅れでしたが、長野市にあるビストロ・ラシェットにて盛大に行われました。その日はお天気に恵まれ、多くの方々が出席しました。参加人数は、何と過去最多の40人近くでした!?フランスが好きな方がこんなにも沢山いらっしゃることに感動を覚えました。私は、普段仕事の都合で会話サロンやイベント等にはほとんど出席できないのですが、今回は奇跡的に都合が合ったので、参加することができました。

 既にご存知かと思いますが、まずパリ祭について説明します。
パリ祭の正式名称は « Fête nationale française » と言います。毎年 7月14日に、フランス共和国の成立をお祝いする大切な行事です。1789年同日に起きた、フランス革命の発端となるバスティーユ監獄襲撃の一周年を記念して、翌年1790年に行われた全国連盟祭が起源となっています。調べてみると、「パリ祭」は日本だけの呼び名との事です。これは、René Clair監督の映画 « Quatorze Juillet » (1932年) が邦題『巴里祭』として公開されてヒットしたため、日本では「パリ祭」と呼ばれるようになりました。パリ祭当日、フランス各地で一日中花火が打ち上げられます。パリでは軍事パレードが開催され、シャンゼリゼ通りからコンコルド広場までを行進します。もちろん、現フランス大統領も出席し、演説も行われます。同じ日、有名な自転車ロードレースLe Tour de Franceも開催され、国中は大変賑やかになります。

 今回、私にとっては初めての巴里祭でした。しかも、久しぶりにフランス語に触れる機会となりました。初めましての方が多く、正直最初は緊張していました。しかし行ってみると、温かい方々ばかりで次第に緊張がほぐれていき、巴里祭を楽しくお祝いできました。美味しいフレンチ料理を堪能しながら、皆さんとのお話に花を咲かせました。更に、急遽行われたアコーディオンの演奏を聴いたり、皆さんとシャンソン « À Paris, dans chaque faubourg »を歌ったりと、まるでパリにいるかのような素敵なひと時を過ごすことができました。

 今回の巴里祭を通して、また更にフランスの輪が広がりました。このような素敵な場で、沢山の方々と知り合えたことに感謝しております。私は、最近フランス語から遠ざかっていたので、これを機にもう一度フランス語を磨き直そう!と良い刺激をもらいました。そして、いつか本場のLe Quatorze Juilletにも行きたいです!

 最後になりましたが、今回、巴里祭に参加できて非常に良い経験になりました。
本当にありがとうございました。また皆さんとお会いできるのを楽しみにしております。
これからもフランスの輪が、更に広まっていくことを願っております。
Merci beaucoup! À un de ces quatre!

巴里祭

フランス革命記念日を2018年7月22日に長野で祝う [2018.07.22]

太田尚枝

私は何年巴里祭に出席していなかったのだろう。
20年前長野オリンピックと共に産声を上げた日仏協会の巴里祭は、色々なところで開催させてもらってきた。会員さんのレストランだったり、元事務局長のあぜくら山荘だったり、小布施でも上田でも開催された。
今年は丁度7月14日が土曜日だったので、てっきりこの日の開催だろうと思っていた。また行けない・・ところが、その前の週にメールが届いた。22日日曜日のお昼に犀北館。という訳で、恐ろしく久しぶりに出席させていただいたのだ。

それにしても今年の長野の夏は連日の酷暑で、命に係わると困るのでクールビズなど何処へやら、がんがんクーラーの効いた別天地で杉浦さんのご挨拶に続き、滝沢会長のご発声で始まった。
料理は大皿、お取り分けだったのと、空腹に負けて初めのラビオリを食べすぎたせいで(フランス料理でアントレにパンをつい食べすぎてしまうのと同じだ)最後はかなりスピードダウン。それでも懐かしい方や、初めてお会いする方とのお喋りは尽きなかった。

ところで、会長も話しておられた。私も常々思っていた。何で7月14日を巴里祭と言うのだろう。これはルネ・クレール監督の映画Quatorze Juilletが邦題「巴里祭」として公開、ヒットしたためで日本だけの呼び名である。
7月14日はバスティ―ユ陥落の日だ。C’est une révolte? と尋ねたルイ16世に、Non, Ce n’est pas une révolte,c’est une révolution と側近が答えたという話はあまりにも有名である。バスティ―ユ陥落の翌年、革命軍総司令官のラファイエットは、青、赤、白の三色旗を提案し、4年後に現在のフランス国旗となっているが、青と赤はパリ市の紋章の色、白はフランス王家の色で、当初は王家との和解を象徴していた筈だったのだ。ところが革命2年後、王家は市民を捨て国外逃亡を企て失敗。王妃の実家であるオーストリアを初め国外逃亡していた亡命貴族は王政を護るために軍隊を派遣すると革命政府を脅迫する。革命体制維持の必要性からついに革命政府はオーストリアに対して宣戦布告、革命戦争が勃発したのである。プロイセン軍がフランス国境内に侵入すると革命政府は祖国の危機を全土に伝え、それに応じてフランス各地で組織された義勇軍がパリに集結、その時兵士の士気を鼓舞するために歌い広められたのが、La Marseillaise である。1795年に正式にフランス国家となった。
という訳で本来7月14日はフランスにとっては国民の結束を確認する日であり、共和国フランスの誕生を祝う日であり、フランス軍を鼓舞する日でもあるということで軍事パレードが行われるのであろう。
私達もこの会の最後にLa Marseillaiseを皆で歌ってお開きになった。

それにしても巴里祭の意味も知らないで、やれ暑い日にはシャキッと冷えたシャンパンが良いとか、やれ本場のフランスパンは美味しいとか言っている日本人の何と多いことか。何も考えないでボーっと生きているとチコちゃんに叱られますよ。

「革命記念日」巴里祭に想う [2016.08.07]

杉浦真理子

 7月9日、長野日仏協会恒例の巴里祭(Quatroze Juillet:La fête nationale)が「トリオンフォ・日和カフェ」で行なわれました。中央には木製の大テーブル、まわりをソファ席が囲み、壁沿いにの書棚には本がビッシリ。お店というより居心地の良いリビングルームのような空間です。

 滝澤会長の乾杯に始まり、アンティチョークの素揚げ、イカ墨のリゾットなど、立石オーナーシェフのオリジナル料理を堪能しながらお喋りも弾み、時間はあっという間に過ぎていきました。

 今回は30名の出席者となり、初参加の方も3名いらっしゃいました。その中のお一人、富士町から参加の越川マロリーさんからは、ご自宅で行われているシャンソンやお料理教室のご案内と、12月に予定されている「大人のプチ留学séjour linguistique」の説明がありました。マロリーさんのご実家のあるブルターニュで、ホームステイをしながらフランス語やお料理のレッスンを受けたり、マルシェ巡りやワインテイスティング、そしてモンサンミシェルまで行くという楽しい企画です。

 たっぷりのワインで酔いも回った頃、巴里祭A Paris dans chaque faubourgパリの空の下Sous le ciel de ParisオーシャンゼリゼLes Champ-Elyséesなど、お馴染みのシャンソンをフランス語で大合唱。

 これらのシャンソンを歌う時、様々な文化が豊かに混じり合う活気に満ちたパリの街角を思い浮かべます。しかしフランスを襲う相次ぐテロにより、人々の自由な愉しみは徐々に奪われていくのでしょうか・・・

 フランス革命のスローガンであり、フランス国民の手で勝ち取った「Liberté Egalité Fraternité」の崇高な理念が不滅でありますようにと願わずにはいられません。9700㎞という距離を越えて、フランスに心を合わせた一日となりました。

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