笑顔の総会 長野日仏協会副会長 杉浦 真理子
連日の鬱陶しい梅雨空から一転し、夏の青空が広がった7月13日。長野日仏協会総会と、何ヵ月も前から準備を重ねてきた落語会が開催されました。
フランス人落語パフォーマーのシリル・コピーニさんをお呼びしようと計画したのは、昨年の12月のことでした。シリルさんは、日本各地での落語口演の予定の他、5月6月はすでにフランスでの口演を控えているとのことで、日程調整はかなり大変でしたが、7月13日に決定。でも、この日は3連休の初日、皆さんすでに予定がおありかしら?と心配もありました。
そんな心配も蓋を開ければ杞憂となり、総会には36人、落語会には非会員の方を含めて45人もの方々が参加くださいました。
総会の議事は滞りなく終わり、いよいよ落語会。軽快な祭り拍子とともに登場したシリルさんは、その風貌と巧みな日本語で瞬く間に聴衆の心をつかみます。
前日にお会いした時に「フランス語の落語もお聞きしたい」とお伝えしたところ、「D’accord!」と快諾。まずは『桃太郎』『皿屋敷』『時そば』(『時うどん』に変更するトリックあり)を、クイズ形式にしてジェスチャ―たっぷりのフランス語で披露。
続いて古典落語の『まんじゅこわい』を、ピエール・エルメのマカロン(ここで、フランスの大統領はマクロンだよ、というオチも入り)や、ミルフィーユ、ガトーショコラなどフランスの「甘いもの」に置き換えて語るも、何の違和感もなく耳に入るのはさすが。
続いての『手水まわし』では、お得意の福岡弁と関西弁の語りの所々にフランス語を交えてクスッとさせる技はお見事でした。こうして50分間の落語会は、笑いと拍手喝采で終わりました。
引き続きの懇親会は、ハトヤの井原さん(会員)手配のフランスワイン13本がずらりと並び、吉田会長の乾杯でスタート。久し振りにお会いした方、入会されて初めて参加された方、1年間のフランス留学から戻ったばかりの高校生など、職業や年齢の壁を越えた交流ができるのが、日仏協会の素晴らしいところです。
シリルさんも各テーブルを回って参加者一人一人と懇親され、あちこちに笑い声が響きました。
サプライズもありました。ドイツでワイン醸造を研究され、今は自称「小諸のじゃがいも農家」の桜井さんが、ご自分の畑から40キロものピカピカのじゃがいもを段ボール4箱に詰めて運んでくださり、嬉しいお土産つきとなりました。
翌日7月14日は、フランス革命記念日(Quatorze Juillet)です。パリオリンピックを目前にしたこの日は、パリ市内の名所を聖火が駆け抜け、特別なQuatorze Juilletになったようです。
私たちも、心に残る特別な総会を行うことができました。
シリルさん、そしてご参加くださった皆様、当日の参加は叶わなくても欠席通知に温かなメッセージを添えてくださった皆様、Grand merci !!!