フランス語サロン上級クラス 2023年3月報告

上級 月3回 月曜日 13時30分~15時
場所 ふれあい福祉センター他

 フランスのニュース記事を読んで理解を深め、自分の意見を述べ合う授業です。
 扱うテーマは世界中の政治、社会問題、文化など様々で、視野を広げ多くを学ぶことができます。以下は11月~2月のタイトルです。(杉浦)

 

  • Que faut-il penser de l’huile de palme ? (21 novembre)
    私たちは、「パームオイル」について考えるべきでは?
  • Dans les écoles hôtelières, le virage végétarien se fait toujours attendre (5 décembre)
    フランスのホテルレストラン学校での「ベジタリアンへの取り組み」が待たれている。
  • Climat : l’interdiction des vols intérieurs courts en France validée par Bruxelles (12 décembre)
    ブリュッセル(EU)によって許可された、フランスの短距離国内線が禁止に。
  • Comment choisit-on nos signatures ? (19 décembre)
    私たちは”サイン”をどのように選んでいますか?
  • Il y a 4.000 ans, on prenait déjà de bonnes résolutions (16 décembre)
    4000年前に、人はすでにしっかりと新年の抱負を表していた。
  • La pollution lumineuse a été sous-estimée et on sait désormais pourquoi (23 janvier)
    今は「光害」に対して過小評価されているが、私たちはなぜ光が害になるのか、やがてわかる。
  • Un travailleur du bâtiment a une vie plus pénible qu’un employé de bureau. Pourquoi devraient-ils prendre leur retraite au même âge ? (30 janvier)
    建設作業員は、オフィスで働く人に比べるとより厳しい環境での労働にもかかわらず、なぜ同じ年齢での退職となるのか?
  • Y a-t-il de plus en plus de personnes sans-abri en France ? (6 janvier)
    フランスではホームレスがますます増加している。
  • La France tente de brider les influenceurs (13 janvier)
    フランス政府は「インフルエンサー」の抑制を始めている。

 

フランス語サロン上級の様子 羽鳥 栄子

 毎月3回行われるこのサロンでは、ドミニク先生が興味深い記事を探してテキストにしてくださいます。私は14年このサロンに通い続けていますが、通い始めの頃「ヨーロッパの家の性能とエネルギーの記事」がありました。家の断熱気密を良くして、太陽の熱や、生活で出る熱(料理や、お風呂の排水)からも熱エネルギーをとり、無暖房を目指すというような話でした。当時の私は、「それは日本とは違って、乾燥しているヨーロッパだからできる方法だ」と感想を述べたのですが、どこか気になり、色々調べていくうちに、実は日本でも可能であるし、最新の情報だったということがわかり、仕事にも活かせています。
 サロンでは、事前にテキストを予習してわかったような気持ちで出席するものの、クラスの皆さんが質問に順番に答えていくうちに、あるフレーズは反対の意味だと気がついたり、だんだんと内容がクリアになっていきます。私は質問にあたふたしながらなんとかやり過ごすのですが、クラスの皆さんも先生も温かく付き合ってくださいます。ゆるい空気感の中、内容は濃いという実は凄いクラスだと感じています。

 というわけで、今月のクラスのテキストを一つご紹介いたします。
 昨年カタールで開催されたサッカーワールドカップでは、施設建設に携る労働者に対して人道的な問題があったと報じられていましたが、パリ五輪はどうなのでしょう。

Polémique sur Paris 2024: des travailleurs sans-papiers sur les chantiers

 フランスで開催される2024パリオリンピック、パラリンピックに向けて、施設が急ピッチで整備されていますが、選手村やアクアティクスセンターの建設現場では、不法労働者の存在が明らかになりました。不法労働者は土木作業や石工事、現場の片付けなどの下働き要員です。
 彼らは不法移民なので、工事現場でも契約も給与明細も休みもなく、一日80ユーロで定時もなく働かされますが、正当な賃金を要求するような危険は犯せないといいます。それ以降の仕事がなくなってしまうからです。彼らは、俺たちの搾取の上にオリンピック施設はつくられていると言います。五輪組織委員会は不法労働の対策を強化することを決めましたが、五輪の良い見本となれるか、カタールで行われたサッカーのワールドカップのようにはならないことを期待します。

 

*見学のお問い合わせは、両クラスともに下記にお願いします。
杉浦 真理子 sugibonjour@ybb.ne.jp