フランス語サロン上級クラス 2022年12月報告

上級 月3回 月曜日 13時30分~15時
場所 ふれあい福祉センター他

 フランスのニュース記事を読んで理解を深め、自分の意見を述べ合う授業です。
 扱うテーマは世界中の政治、社会問題、文化など様々で、視野を広げ多くを学ぶことができます。

 

上級クラスに参加して 矢島 真理子

 このクラスに入って6年目になります。当初は、文字は読めるけれどもうまく聞き取れない、話せないという状態で、萎える気持ちを鼓舞しながら通っていました。最近は少し光も見え、進歩を感じることもあります。例えば、A4版2枚のテキストを読むのが苦でなくなり楽しみになったこと、先生の話が大分聞き取れ、冗談にもクスッと笑えるようになったこと…。テキストの関連記事や世界のニュースも気になり、自分の世界が広がったように思えます。しかし会話となると、うろ覚えな単語を絞り出しながらあたふたするだけで中々うまくいきませんが、他の人たちの話すフランス語を聞いているのも良い勉強です。継続が力となるよう頑張りたいと思います。
 9月から11月に勉強したテキストを振り返ってみます。

  • Pompiers volontaires : qui sont ces Français qui prennent sur leur temps libre pour aider les autres ? (5 septembre)
    〈志願消防士:他人を助けるために自分の余暇を使うフランス人たちは誰か?〉
    フランスには本職でない志願消防士が197,000人おり、全消防士の80%に相当する。幾つかの条件を満たせば老若男女誰でも志願でき、職業訓練後に最少16歳から従事できる。消防士になるにはこの仕事を愛し、勇気があり、他愛的であることが必要だ。
  • Élection de Liz Truss : von der Leyen espère «une relation constructive» (12 septembre)
    〈リズ・トラスの選挙:フォン・デア・ライエン(EC委員長)は「前向きな関係」を期待する〉
    リズ・トラス氏が新首相に選ばれ、英国で3人目の女性首相が誕生した。彼女はEU離脱賛成、減税の実施を表明している。EU始め関係国の指導者たちは、ウクライナでの戦争、気候変動など数多くの試練に共に向き合おうと彼女の勝利を祝う。
  • Il faut un boycott total de la Coupe du monde au Qatar (26 septembre)
    〈カタールで行われるワールドカップは全面的にボイコットすべきだ〉
    中東の小国カタールで11月に行われるサッカーW杯は収賄や浪費などお金のにおいがする。8つのスタジアム建設における外国人労働者の劣悪な労働環境、11月でもエアコンなしではプレイできない暑さ、女性やマイノリティに対して偏見をもつ国の姿勢など、批判材料は尽きない。記者はカタールを開催国と決めた指導者たちにも怒りの矛先を向けている。
  • Italie: Giorgia Meloni, une ancienne fan de Mussolini désormais aux portes du pouvoir (3 octobre)
    〈イタリア:元ムッソリーニファンのジョルジア・メローニは今や権力掌握間際にいる〉
    右派政党「イタリアの同胞(FDI)」の党首メローニ氏がイタリア初の女性首相に就任する公算が大きい。若い頃には極右のムッソリーニをすばらしい政治家であると称賛していたが、今回の選挙では、自身のファシズムや反ユダヤ主義を否定している。彼女の最重要課題は、イタリアの国境を閉ざしイスラム化を防ぐことだ。
  • «Les aidants effectuent un travail invisible, gratuit, et ne s’en rendent pas compte» (17 octobre)
    〈介護者たちは人目につかない無償の仕事をしているが、その実感がない〉
    高齢の親や配偶者、病気の子供など近親者を介護している人たちは、それを当然のことと思い、むしろそれをしないことに罪悪感さえ持っている。自分たちは介護者であるという認識を持たず、支援を受けない人も多い。同時間の介護をする場合でも、男性は買物など外の仕事を担当し、女性は身体ケアを受け持つ傾向があり、女性の負担は大きい。
  • Pouvoir accru de Xi Jinping, exfiltration de Hu Jintao : ce qu’il s’est passe au XXe congrès du PCC (31 octobre)
    〈習近平の増大する権力と胡錦濤の退出:第20回中国共産党大会で起こったこと〉
    10月16日から22日、天安門広場にある人民大会堂で5年に1度の中国共産党大会が開催された。中国各地から2,296人の党代表者が集まり、習近平総書記が3期目入りした。最終日に、前総書記の胡錦濤氏が途中で退出させられるという前代未聞の出来事が起こった。その様子はライブ放送されていたが、中国では再放送されることはなかった。また、党大会前に習近平政権に反対し、橋に横断幕を掲げた人も出たが、逮捕されたまま戻っていないようだ。
  • Pourquoi se passe-t-on une alliance au doigt quand on se marie ? (7 novembre)
    〈結婚する時になぜ指に結婚指輪をはめるのか?〉
    絆の象徴として左手薬指に結婚指輪がはめられるようになったのは古代エジプトにまで遡る。「愛の静脈」と言われる静脈が、左手の薬指から心臓まで直接繋がっていると信じられ、そこに象徴的な物を付けるようになったという。しかし、カトリックでは左手に、プロテスタントは右手、インド人は親指、ユダヤ人は人差し指…など結婚指輪の位置も様々で、愛の静脈の理論は科学的ではない。
  • Et si les personnes qui préfèrent les animaux aux humains avaient raison? (l4 novembre)
    〈人間よりも動物の方が好きな人たちが正当だったとしたら?〉
    動物好きなフランス人。約1500万人が猫を飼い、約700万人が犬を飼っている。そのうちの51%が、友人よりも動物と過ごす方を好むという。動物は謙虚で誠実で飼い主に愛情を注ぐ。対人関係にはつきものの猜疑心、裏切り、悪意とは無関係だ。犬と暮らすことで老人たちに生きる希望が湧くことや、心臓疾患の患者の死亡率が下がったことも確認されており、アニマルセラピーはこれからも重要視される。

*見学のお問い合わせは、両クラスともに下記にお願いします。
杉浦 真理子 sugibonjour@ybb.ne.jp