上級 月3回 月曜日 13時30分~15時
場所 ふれあい福祉センター他
フランスのニュース記事を読んで理解を深め、自分の意見を述べ合う授業です。
扱うテーマは世界中の政治、社会問題、文化など様々で、視野を広げ多くを学ぶことができます。以下は2月~5月のタイトルです。(杉浦)
- Polémique sur Paris 2024 : des travailleurs sans-papiers sur les chantiers (20 février)
建設現場で働く不法労働者たちは、2024年パリオリンピックの大きな問題となっている。
- Guerre en Ukraine : comment, en un an de conflit, la Russie ” est devenue un autre pays” (6 mars)
ウクライナ戦争:侵攻から1年が経ち、ロシアはどのように「別の国」になってしまったのか。
- Précarité : À l’épicerie solidaire, « C’est comme au supermarché, mais en beaucoup moins cher » (13 mars)
食料品値上がりの状況のなかで、連帯食料品店は「まるで激安スーパーのようだ」。
- Discours de mariage, lettre de motivation… Comment l’intelligence artificielle est entrée dans notre vie quotidienne? (27 mars)
結婚式のスピーチ、志望動機書…人工知能は私たちの日常生活にどのように浸透しているのか?
- Depuis quand le métier d’éboueur existe-t-il ? (3 avril)
ごみ回収の仕事はいつから存在していたのか?
- Après le séisme, la colère anti-Erdogan reflue dans ses fiefs (10 avril)
(トルコの)地震のあと、被災地での反エルドアンの怒りは薄れているようだ。
- L’histoire de ce roi de l’arnaque qui a vendu la tour Eiffel (8 mai)
エッフェル塔を売った「詐欺の王様」の物語
- Les Thaïlandais rejettent les militaires au pouvoir lors des élections législatives (22 mai)
タイの国民は、先に行われた国民選挙で軍の支配を退けた。
- Pour la première visite d’un président français en Mongolie, Emmanuel Macron défend des projets énergétiques (29 mai)
モンゴルを初めて訪問したフランス大統領エマニュエル・マクロンは、エネルギー政策を推し進める方針を示した。
フランス語サロン(上級) 古澤 俊法
月曜日の午後、ふれあい福祉センターで、ドミニック先生のフランス語講座を受け始めて、もう3年になります。毎回、メールで送っていただくテキスト(A4サイズ2枚)を前に、辞書を片手に格闘し、おぼろげに理解して出席しています。当日は普段使わない脳みそを、無理して使っているせいか、頭が少し熱っぽくなり、年を取っても知恵熱を出しています。
それでも、ほんの少しずつですが文章の読解が速くなり、先生の話している言葉も聞き取りやすくなった、気がしています。3年間のプリントが、けっこうな厚みで引き出しに入っています。それを見ると、こんなにやったけど、単語はほとんど忘れているし、いくらやっても星の数ほどあるフランス語の語彙など、覚えられるはずがない…などと諦めの気持ちがわいてきます。でも少し経つと、次回のテキストを調べねばと、また辞書を引いています。
フランスに旅行した時、ホテルのエレベーターで、掃除用具を手にした小柄な中年女性に、斜め下からじっと見つめられたことがあります。何かこちらも気恥ずかしく、自分もチラリチラリと見下ろしましたが、おばちゃんはゆるぎなく堂々と、顔をこちらに向けて見つめ続けています。フランス人は(おばちゃんは?)、こんな風に知らない人の顔を、平気で見つめ続けるんだ、と妙に感動したことがあります。
「あんなに見られたのは、日本人の顔が珍しかったからかなあ?」と、外に出てから妻と話をしました。
目を見て話しなさい、などと言われますが、自分も相手の目をしっかり見て話すのは、やはり苦手です。どこか気恥ずかしくなってしまいます。でも、日本人の多くはその傾向があり、高校生の面接練習でも、面接官のネクタイのあたりを見て話をするのがいいよ、というアドバイスを時々聞きました。
そんな自分もフランスでは、けっこう相手の目を見て話していた記憶があります。もう30年近く前に、ニースの語学学校に通ったり旅行したりして3週間ほど滞在したことがあります。自分の帰国の前日、途中から一緒だった1日早く帰国予定の友人とニース空港に行くと、受付で「飛行機が飛ばない」と言われました。荷物係のストとのことで、どうしよう、帰れない…。
結局、友人はその日のうちにTGVでニースからパリへ向かい、自分は「明日はたぶん飛びそう」という不安な説明を聞いて、ホテルに戻りました。その夜は、ニースのお祭りで、外は深夜まで大騒ぎ、旅でバテたのか熱がだいぶ出てきて、不安な一夜でした。
翌日空港へ行くと、飛行機は飛ぶと聞き、ほっとしました。でもこの時ほど、食い入るように相手の目を見て、話を聞いたのは初めてでした。飛行機は飛ぶ、まではわかったのですが、その後の説明がさっぱりわかりません。しつこく聞き返し、最後には紙にも書いてもらってわかったのは、ニース発の飛行機は飛ぶけれど、予定のドゴール空港ではなくオルリー空港に着く、そこからバスでドゴール空港に移動する、ということでした。その時は、必死に女性の目を凝視して、言葉を聞き取ろうとしていました。
言葉がわからないと、相手はだまそうとしているかも知れない、本当だろうか、と人は目をしっかり見るようになるのかもしれない、と後で自分を振り返って思いました。確かに、イタリア語、スペイン語、ドイツ語…隣国から来る得体の知れない人は、よくわからない言語を話している、何を話しているの?だましたり、攻撃したりしない?と、目をじっと見る……。
いつまで経っても、フランス語をすらすら話したり、しっかり聞き取ったり出来そうもありませんが、プリントを眺めてあくせく辞書を引いています。もしかしたら、あの掃除用具を手にしたおばちゃんの、堂々とした視線にさらされたから?
*見学のお問い合わせは、両クラスともに下記にお願いします。
杉浦 真理子 sugibonjour@ybb.ne.jp